幹部が個人で借りたお金を会社に貸し付けていた件

業績が悪化し、資金繰りが厳しくなると、社内の雰囲気がだんだん悪くなっていきます。

なんとなく居心地が悪いというか、事務所の空気が重いというか、経営者の方は、こういった雰囲気の変化になかなか気づかないと思いますが、社員の方は別です。

 

経営者の方が考えている以上に敏感なのです。

 

特に、仕事ができる有能な社員であればあるほど、この不穏な空気をいち早く察知する能力に長けているため、「この会社はこの先ヤバいな」と少しでも察知したら、水面下で就職活動をされてしまう事になります。

このように、たいていの場合、会社の業績が徐々に悪化し、会社のピンチを社員に気づかれてしまうと、有能な社員から離れていく傾向がありますが、まれに、そうでないケースがあります。

 

「この会社は絶対に潰さないぞ!」という一体感が生まれる事もあるのです。

今回お話しするのは、「一体感が生まれて会社が再生した」というありきたりな美談ではなく、一風変わったケースをお話したいと思います。

 

幹部全員で会社を持ちこたえようとした件

会社の資金繰りをストップさせないために、我々も何か協力できる事はないか?

という事で、幹部全員がクレジットカードローンや消費者金融からお金を借りて、個人で借りたお金を会社に貸し付けているというケースがありました。

 

この会社の経営者は高齢だったのですが、後継ぎとなる息子さんがいて、取締役部長という役職で、業務のほぼ全てを指揮していました。

この会社の幹部は、全員、息子さんの地元の同級生なので、幹部全員付き合いも長く、子供の頃から家族ぐるみでの付き合いをしてました。

 

ある日、幹部の一人が、
「月末、取引先に支払う300万円がどうしても足りない」
という社長と息子さんのやりとりを耳にしました。

通常であれば、「この会社も資金繰りが厳しいんだな。」で終わる話だと思うのですが、このやりとりを聞いた幹部の方は、その日に幹部全員を集め、「月末の300万をどうやって作るか」というお金の相談をしたのです。

 

彼らが出した結論は、「一人あたり70~80万円借りれば300万ぐらい簡単に集まる。」という事で、翌日、すぐに消費者金融や、クレジットカードのキャッシング枠を使い、お金を集めたのです。

支払日の前日、集めた300万円をもって、息子さんに「会社のために使ってくれ」と渡したそうです。

 

息子さんも最初は断ったみたいですが、幹部と息子さんのやり取りを見ていた社長が「会社のためにここまでしてくれて悪いね」とさっさとお金を受け取ってしまい、その足で銀行に行ってしまいました。

 

この会社のその後については、ご想像におまかせしますが、

とにかく、この会社には、「二代目に承継されるまで、みんなの力でなんとしても持ちこたえてやる!」

という一体感というか、妙なグルーブ感がありました。

 

こういった事が推奨されるかどうかの言及は避けますが、このように、ピンチを乗り切ろうとするケースもあるのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている