会社の末期症状とはどのような状態?6つの特徴と理由を解説

事業再生
  • 業績が悪化して債務超過になってしまったよ…ウチの会社は末期なのかな?
  • 銀行に新規融資を依頼したら断わられたよ。銀行に見放されてしまったということは、ウチの会社は末期なのかな?
  • 借入が多く、常に資金繰りが厳しいよ。ウチの会社は末期なのかな?

この記事では、こういった疑問にお答えします。

この記事を書いている筆者は、資金繰りや事業再生に関するご相談を経営者様から受けており、資金繰りにお困りの方からよく「ウチは末期です」というご相談を受けます。

様々な中小企業の経営者から相談を受けている経験から、会社の末期状態について解説します。

それではさっそく本題にはいりましょう。

末期症状の会社のよくある特徴は「借入過多・収益力の低下」

何年も資金繰りにお悩みの方から「ウチは末期です」という事をよく言われるのですが、財務資料を拝見すると、以下のような共通点があります。

  • 銀行からの新規融資はNG
  • リスケジュール中のため、資金調達方法が限られている

いずれも、借入過多、若しくは収益力の低下に起因するものです。

このような状況であれば確かに、資金繰りが楽ではないという事が容易に推察できますが、この程度で「末期」などと言っていたら、殆どの中小企業が末期に該当することになってしまいます。

それでは、どのような状態が本当の末期症状なのか、資金繰り・事業再生コンサルタントをしている筆者が思う「これは末期症状だ」と感じるポイントを解説していきます。

 

末期状態の会社でよく見る具体的な症状は6つ

本当の意味で「末期症状」と言えるのは、次の6つの症状のいずれかに該当している企業だといえます。

  • 役員報酬を何年も手にしていない
  • 売上の目途が全く立たない
  • 経営者が重度の鬱になっている
  • 社員が会社を食い物にしている
  • 経営者がヤミ金の言いなりになっている
  • 手数料が半端なく高いファクタリングに手を付けている

上記のとおりです。

役員報酬を何年も手にしていない

「ウチは末期です」と口にする方から決算書を拝見させて頂く際、筆者は必ず「役員報酬はきちんと手に乗ってますか?」という質問をします。

この時、「報酬を受け取らないと生活ができないので、きちんと貰ってます」という返答が返ってきたら一安心なのですが、末期になると役員報酬が手に乗らないケースが散見されます。

よくあるケースが以下の通りです。

  1. 決算書上、役員報酬は計上されているが「現金は受け取っていない」
  2. 帳簿上は役員報酬を受け取っているが、同時に役員借入金に計上されている→毎月役員報酬を会社へ貸し付けるという処理

つまり、決算書上で帳尻合わせだけして、役員報酬が実質的にゼロの状態です。

この状態になると、貯金を切り崩して生活する事を余儀なくされるので、そうとう厳しくなります。

これが、直近1年以内の出来事なら、末期」とは思いませんが、この状態が何年も続いていると「これは末期かもしれない」と感じてしまいます。

売上の目途が全く立たない

「売上が減少傾向にある」という程度のものであれば、売上に合わせて事業規模を縮小していけば資金繰りは回りますから、すぐにどうこうという事は考えにくいです。

しかし、以下のような状態に一つでも該当するなら「末期症状」なのかなと思います。

  • 例年、この時期になるとあるはずの受注がぱったりと無くなった。
  • 商品・サービスが全く売れなくなった。(売上ゼロのレベル)

経営者が重度の鬱になっている

毎日資金繰りの事ばかり考えて、経営者が鬱状態になるケースはよくあります。

鬱も症状が軽ければ、事業継続に支障をきたすような事は殆どありませんが、重度の鬱になってしまい、コミュニケーションを取るのが難しくなるほど症状が重くなってしまうと、「末期状態」に該当すると思います。

重度の鬱になる前に、専門家のカウンセリング受けた方が良いです。

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社員が会社を食い物にしている

信頼している役員や社員が会社を食い物にしているというケースもよく聞きます。

経営者が日々、役員や社員の動向に目を光らせていればこのような問題も起こらないですが、病気などで体調が悪くなったり、重度の鬱状態に陥ってしまい、出社するのが難しくなると、役員や社員が会社の金を好き勝手使うというのはよくある話です。

よくあるケース

  • 社用車が増えた、若しくはドイツ車になっていた。
  • 旅費交通費、接待費が増大した。
  • 役員が社長の了承なしに借入やリース契約を締結(連帯保証人の欄は社長の個人名を記入)

経営者が出社できないことをいいことに、会社の金を好き勝手使い、挙句の果てには経営者が関知していないのに負債が増えているなんてケースもよくある話です。

出社して陣頭指揮を執ることができるレベルまで体調が回復したり、重度の鬱状態から抜け出せれば良いですが、
体調が回復しない、あるいは鬱状態から抜け出せず、社員に好き勝手にやられ、どうする事もできないというお話を聞いてしまうと「こりゃ末期だな」と感じてしまいます。

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経営者がヤミ金の言いなりになっている

今でこそ「ヤミ金に手を出してしまいました…」というご相談はめっきり無くなりましたが、2016年ぐらいまでは、「実は、ヤミ金に手形を振り出してしまいまして…」というご相談がよくありました。

ヤミ金に手を出してしまっても、弁護士に相談したり、警察に相談するなどして、すぐに手を切れる方なら問題ありませんが、なかにはヤミ金の言いなりになっている経営者の方がけっこういました。

ちなみに、ひとことで「言いなりなっている」といっても、その症状は大まかに4つあります。

例えば、筆者がお客様から「ヤミ金から借入がある」と打ち明けられた際、ヤミ金と手を切る方向で話をすすめるために、「今日か明日にでも弁護士か警察に相談しましょう!」と強く勧めた際に、症状別に次のように対応が分かれます。

  • 軽度 → すぐに弁護士や警察に相談に行く
  • 中等度 → 何かされたら怖いといってすぐに決断できない(手形や小切手を交換所に回されて不渡りを起こされないか、あるいは身辺に被害が及ばないか心配する)
  • 重度 → 思考停止状態に陥り、ヤミ金に食い物にされているという自覚があまりない
  • 末期 → ヤミ金をかばう発言しかしなくなる(例:苦しい時に助けてくれた、親身に相談にのってくれる良い人、悪い人じゃない、金を貸してくれる人を紹介してくれる(系列のヤミ金))

特に末期になるとホント最悪で、筆者が弁護士を紹介したり、警察に電話かけるよう促したりすると、ヤミ金の身を案じる事しか言わなくなったり、ヤミ金をかばう発言をするようになり、気が付くと筆者が悪者になってたりすることすらあります。

こうなると「こりゃ手の施しようがない末期状態だ」と感じてしまいます。

手数料が半端なく高いファクタリングに手を付けている

「ファクタリング」は、商取引で発生した売掛債権をファクタリング会社に買い取って貰うことで売掛金を早期に現金化できる資金調達方法です。

資金調達が難しい企業が利用しやすい資金調達方法として、ここ数年間で利用者が増加傾向にあります。

ファクタリングは売掛金があれば申し込みから数日以内に現金化できるメリットがある一方、売掛金の買取手数料が高額というデメリットがあります。

ファクタリングの買取手数料は取引先に知らせるか知らせないかで大きく変わります。

  • 取引先に知らせない方法(2社間)→ 10~20%(30%を超える事業者もある)
  • 取引先の承諾を得る方法(3社間)→ 1~9%

取引先に知らせる場合は買取手数料も数%で済みますので、若干、収益に影響しますが、倒産の引き金を引くほど大きな影響を与える事はありません。

しかし、取引先に知らせない「2社間ファクタリング」を利用しているような場合、話しは異なります。特に20%前後の高額な手数料をチャージされているような場合、収益に大きな影響を及ぼします。

例えば、これは実際に相談を受けたケースなのですが、利益率が平均20%前後の業種なのに、20%の買取手数料をチャージされながらファクタリングを利用していた経営者の方がいました。

一つの受注につき、利益率が平均20%前後なのに、20%の手数料をチャージされたらどうなるか。

単純に、プラスマイナスゼロになります。

それどころか、会社を維持するための経費が毎月発生し、利益で賄う事ができないので、事業を続ければ続けるほどマイナスになります。

このような計算ができず、毎月高額な手数料を取られながらも、ファクタリングをやめようとしない経営者の方を見てしまうと「こりゃ末期だな」と感じてしまいます。

ファクタリングをやめたい!【簡単ではないですけど、方法は2つあります】」で解説しているとおり、融資に切り替えるか、あるいは手数料の低いファクタリング事業者に乗り換えない限り、先はないと思います。

 

まとめ

以上、会社の末期症状とはどのような状態なのか?という事について解説しました。

お気づきだと思いますが、負債が多いというぐらいの事で末期という事にはなりません。

  • 債務超過
  • 借入過多
  • 銀行からの資金調達が難しい

このような状態は確かに資金繰り面で言えばマイナスだと思いますが、この手の問題は返済方法を調整すれば良いだけの事なので、末期症状とまでは言えません。

従いまして、「債務超過・借入過多・銀行からの資金調達が難しい=(イコール)末期」という考えを持つ必要は無いと言えます。

 

ちなみに、基本的には破産をすすめることのない筆者ですが、過去2つのケースで破産を勧めたことがあります。興味のある方は以下の記事をどうぞ。

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