【銀行融資】借入金一覧表の作り方3ステップ【テンプレートあり】
銀行に提出する借入金一覧表を作りたいです。
テンプレート(書式)や書き方のサンプルがあると助かります。
具体的な作り方を教えて欲しいです。
本記事では、こういった要望にお答えします。
- 借入金一覧表とは
- 借入金一覧表の作り方3ステップ
- 銀行が借入金一覧表をチェックして考えていること2つ
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、借入金一覧表の作り方を解説していきます。
ちなみに本記事では、借入金一覧表の作り方と併せて、取引銀行や借入内容の数字を入力するだけで借入金一覧表が簡単に作れるテンプレート(書式)と書き方のサンプルをご用意しました。
「借入金一覧表を作るのは初めてです」という方でも迷わずに作れるようになりますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
借入金一覧表とは
借入金一覧表とは、下図のように借入条件や借入額、借入残高など、借入金の状況を一目で確認できるようまとめたものです。
借入金一覧表は銀行融資における重要な判断材料の1つです。融資を受けやすくするためにも、必ず作成しておきましょう。
借入金一覧表に記載する項目
借入金一覧表に記載する項目は下記のとおりです。
- 金融機関名 → 金融機関名を記載します。
- 借入種別 → 証書貸付、手形貸付、当座貸越など借入種別を記載します。
- 当初借入額 → 融資を受けた金額を記載します。
- 借入残高 → 現在の融資残高を記載します。
- 借入日 → 融資を受けた日を記載します。
- 最終返済日 → 最後の返済日を記載します。
- 借入期間 → 融資の返済期間を記載します。
- 返済日 → 毎月の返済日を記載します。
- 返済条件 → 元金均等返済、期日一括返済、元利均等返済など、返済条件を記載します。
- 約定返済額 → 毎月の約定返済額を記載します。
- 支払利息 → 毎月の支払い利息を記載まします。
- 返済合計 → 毎月の返済元本と利息の合計額を記載します。
- 利率 → 融資を受けた年利を記載します。
- 資金使途 → 運転資金、あるいは設備資金として融資を受けたのか、資金使途を記載します。
- 担保等 → 保証付、不動産担保、プロパーなのかを記載します。
記載項目が多いので作成に手間がかかりますが、一度作ってしまえば後はそんなに手間はかかりませんので、ぜひ作っておきましょう。
借入金一覧表の利用シーン
借入金一覧表の利用シーンは下記のとおりです。
- 2つ以上の金融機関(銀行・政府系など)から借入をしていて、既存の取引金融機関に新規融資を申し込む時
- 取引したことが無い銀行に、新規融資を申し込む時
- 既借入金のリスケジュール(返済条件変更)を申し込む時
「1つの銀行としか付き合わない」、「これ以上借入を起こすつもりはない」とお考えの方は借入金一覧表を作らなくても問題ありませんが、そうでなければ借入金一覧表は必ず使いますので、求められたときにすぐに提出できるようにしておきましょう。
以上、借入金一覧表の概要を解説しました。続いて、借入金一覧表の作り方を解説していきます。
借入金一覧表の作り方3ステップ
借入金一覧表の作り方は下記3つの手順です。
- 手順①:借入金一覧表のテンプレートをダウンロードする
- 手順②:金融機関から発行された明細を用意する
- 手順③:借入条件や融資残高など記載する
上記のとおりです。
手順①:借入金一覧表のテンプレートをダウンロードする
まずは借入金一覧表のテンプレート(書式)をダウンロードします。
テンプレートはExcel(エクセル)とスプレッドシートの2種類ありますので、使いやすい方をダウンロードして下さい。
- Excel(エクセル)ファイル → zip形式で圧縮してあります
- スプレッドシート → 左上メニューから、ファイル>ダウンロード>Microsoft Excel(.xlsx) or OpenDocument形式 (.ods) のいずれかをダウンロードできます。
スプレッドシートのコピーのやり方が分からない方から共有リクエストを頂くことがありますが、誰でもダウンロードできるようにしてあります(コピー可に設定済)。
共有リクエストを頂いても回答いたしかねますので、コピーのやり方が分からなければExcelファイルをご利用下さい。
サンプルデータをチェックする
サンプルデータも公開しておきますので、ぜひチェックしておいてください。
- 借入金一覧表のサンプルデータ(スプレッドシート)
サンプルを見ておけば書類の完成イメージが湧きやすいので、借入金一覧表作成もスムーズです。
手順②:金融機関から発行された明細を用意する
銀行や政府系金融機関から融資を受けた時に発行された借入明細を用意します。
なお、借入明細の名称は金融機関によって下記のように異なりますが、記載内容は同じです。
- お借入返済予定明細書
- ご融資資金払込明細書
- お支払額明細書(日本政策金融公庫)
手順③:テンプレートに借入条件や融資残高などを入力する
テンプレートに借入明細に記載された借入条件・融資残高などを入力していきます。
借入明細には、融資総額、融資日、返済日、月々の返済額や、利息の金額、融資残高などなど、詳しい融資条件が記載されていますので、明細を見ながらテンプレートに入力していきます。
借入明細の内容を記載したら、借入金一覧表の作成は完了です。
以上、借入金一覧表の作り方を解説しました。続いて最後に、銀行が借入金一覧表をチェックして考えていることを解説していきます。
銀行が借入金一覧表をチェックして考えていること2つ
銀行が借入金一覧表をチェックして考えていることは主に2つです。
- 期中の融資残高と毎月の返済額
- 他行からの借入状況
上記のとおりです。
期中の融資残高と毎月の返済額
決算書の「借入金及び支払利子の内訳書」を見れば、期末の融資残高や毎月の返済額を確認できますが、期中の融資残高は決算書から読み取ることはできません。
例えば、決算期が3月末の企業が10月に融資を申込んできた場合。
銀行の立場からすると、4月から10月にかけての融資残高は全く見えません。
約半年の間に、
- 他行から借入している
- 借換えなどでメインバンクが変わった
- 他行から大きな金額を調達して負債過多の水準にある
こうしたことが起こっている可能性は十分考えられます。
決算書では期末の残高しか分かりませんから、期中の融資残高や詳細な借入内訳の動きは全く見えません。
銀行の立場からすると、借入状況が見えない企業に融資を実行するのはリスクが高く、融資実行の判断は非常に難しいです。
借入金入金一覧表で借入状況をリアルタイムで伝えることで、銀行も判断しやすくなります。
他行の借入状況
銀行は借入金一覧表から他行の借入状況をチェックして下記のように考えます。
- 他行の融資残高が伸びてきている → 当行も融資を提案できないか?
- 他行の融資シェアを獲得するために借換えを提案してシェアを伸ばせないか?
- メインバンクではなくサブ行から融資を受けている → メインバンクに融資を断られたのでは?
- 直近で他行から受けた融資の金利が平均より高い → 他行に「危険な融資先」と判断されたのでは?それなら当行も慎重に…。
などなど、良くも悪くもこういったことを考えます。
そのため、借入金一覧表の提出がきっかけで融資が受けにくくなるといったマイナスに作用することも当然考えられます。
とはいえ、実際の現場では借入金一覧表を提出することで「積極的に融資の提案をして貰えるようになった」、」「仕入れ資金を支援してもらえるようになった」、など、プラスに作用することの方が多いです。
借入金一覧表を提出しないと銀行に
- 借入状況を隠しているのでは?
- 何か不都合なことがあるのでは?
などと警戒されるだけでメリットがありません。
借入金一覧表を作成して、銀行から求められたらすぐに提出できるようにしておくといいですよ。
まとめ
以上、借入金一覧表の作り方を解説しました。
テンプレートを使えば簡単に作れますので、サンプルを参考にしながら作成してみてください。
ちなみに、作成した借入金一覧表は定期的にメンテナンスするといいですよ。一度作成してしまえば後は毎月融資残高を減らすだけなので、管理・運用にそんなに手間はかからないです。
ぜひ、実践してみてください。
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