このまま返済ができなくなると最後はどうなるの?

  • リスケジュールを検討している方
  • リスケジュールを何年も更新している方
  • 期限の利益を喪失しそうな方

等から資金繰りのご相談を受けると、3名に1人ぐらいの割合で「このまま返済できなくなると、最後はどうなるのですか?」という質問をされます。

約定どおり返済するのが困難な状況に陥ると、「もし、返せなくなったら自分はどうなってしまうのだろう…」という考えが、ふとした時に頭を過るのだと思います。

お気持ちは分かりますが、基本的に、深刻に考える必要性は全くありません。

既借入金をリスケジュールしてもなお、銀行への返済が困難になってしまった場合、当然、期限の利益喪失となり、借入金の一括弁済を求められることになります。保証付き融資は代位弁済となり、プロパー融資は一括弁済を求められる事になります。

この文面だけ見てしまうと、今後、かなりの苦労を強いられるような印象を受けるかもしれません。

実際のところ、「このような事態を引き起こしたら事業継続どころではない」と思い込んでいる方が未だに少なくありませんが、誤解を恐れずに言うと、返済できなくなったからといって、今後の事業継続に大きな影響与えるような出来事はほとんど起こりませんし、連帯保証人である経営者様の人生が大きく変わるような出来事が起こる事もありません。

債権者は法律に則って淡々と回収行為をするだけ

借入金の返済ができず、期限の利益を喪失すると、債権者は債務者に対して一括弁済を求めてきます。まあ、これは当たり前の話です。逆の立場で考えた場合、恐らくあなたもそうすると思います。

銀行が債権者の場合、期限の利益喪失と同時に預金口座をロックしてきます。預金口座に預金が残っていれば、既存の借入金と相殺されてしまいます。不動産を担保に入れていれば担保権を実行され、換価処分されてしまいます。

一連の回収行為で残債が無くなればこれ以上追及されるような事はありません。

しかし、このような状態に陥ってしまう企業の多くは、一連の回収行為をされた後も多額の残債が残るケースが殆どなので、預金口座ロック、担保権実行の後も返済を迫られることになります。

ここまで来ると、サービサーに債権譲渡される場合が殆どなのですが、債権譲渡された後、新債権者となったサービサーに返済を迫られる事になります。

売掛金があれば狙われる可能性もありますし、他に銀行口座を開設していないか調べられる可能性もあります。また、訴訟を起こしてきて債務者に揺さぶりをかけてくる可能性もあります。訴訟に不慣れな方や、知識が無い方はこれで精神的に焦ってしまう方もいます。

返済不可能な多額の負債を抱えていると、延々とこのような事が続くのでしょうか。

無い袖は振れない

延々と続くような事は基本的にはありません。なぜなら、そもそも論として「無い人からは何も取れない」からです。

何かを持っているから狙われるのであって、何もなければ取りようがありません。これは、債権回収の大原則と言っても良いでしょう。何もないのにどうやって取るのか、私が聞きたいぐらいです。

もしこれがどうしても信用できないと言うのであれば、顧問弁護士やお近くの法律事務所にこのように質問すると良いです。

「現在、債権者から執拗に催促を受けています。私には資産と呼べるものが無く、手持ち資金も厳しい状況です。返済を迫られてもお金が無いので払えません。この先、債権者はどんな手段を取ってくるのでしょうか?私は最終的にどうなるのでしょうか?」と。

恐らく、「無い人からは何も取れない」、「最終的も何も、破産したら終わり」という回答が返ってくるだけです。

専門家に「最終的にどうなりますか?」と質問しても意味がない

専門家の方に「最終的にどうなる?」という質問に対する回答は期待しない方が良いです。というのも、相談を受ける側からしたら「最終的って何が最終なの?」と疑問に感じてしまう質問なので、これに対する回答は「不安に感じたり、訴訟を起こされるのが嫌なら破産すれば良い」としか回答できなくなってしまいます。

ちなみに、私も「最終的にどうなる?」という質問は、回答に困ってしまいます。何時の時点が最終なのか判別が難しいので、「最終?何が最終?」といつも頭の中でクエスチョンが過ります。

そもそも論として、債権は時効がありますしね。

回収のプロと豪語されても無い人からは1円も取れない

「我々は債権回収のプロだ」という事を口にするサービサーの担当者を見かけますが、それが本当にプロだとしても、無い人から回収する術など持ち合わせていません。

口では「我々はプロだ!」と言っても、腹の中では「こりゃ回収は無理だ。面倒だな~。」ぐらいにしか思っていません。そもそも、無い人から回収する事などできるはずが無いのですから。

このことを理解していれば、「最後はどうなる」等と余計な事を考える必要が無くなりますし、仮に、取られたくない資産を持っていたとしても、「無い人からは取れない」という事をキチンと理解していれば、事前に対策を実施することにより、資産の外部流出を最大限食い止めることができるようになります。

 

どんな時でも対応策は必ずある

窮境状態に陥ると不安で押しつぶされそうになってしまったり、不安から逃れるための行動をとってしまいがちです。初めての経験であればなおさらその傾向は強いと思います。

しかし、どのような局面でも、どのようなタイミングでも、対応策が全くないと言う事は殆どなく、場面場面で対応策というのは存在します。

ですから、常に冷静に現況を把握し、問題点を整理し、その中から適切な対応策を選択して着実に行動を起こせば良いだけのことなので、いたずらに「最後はどうなる」等と思考停止に陥ってしまう事は避けなければなりません。

 

まとめ

「返済できなくなると最後はどうなる?」という問いは、最後を決めるのはあくまで融資を受けた債務者が決める事であり、債権者が決める事ではありません。

幕引きの方法は債務者が、数ある選択肢の中から自由に選択する事が出来る。という事を常に念頭に置いておいた方が良いでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている