【銀行融資】信用保証協会の保証付融資とは?特徴や保証を受ける要件を解説

【銀行融資】信用保証協会の保証付融資とは?特徴や保証を受ける要件を解説

信用保証協会の保証付融資について詳しく知りたいです。

本記事では、こういった要望にお答えします。

本記事の内容
  • 信用保証協会の保証付融資とは?
  • 信用保証協会の保証付融資の特徴3つ
  • 信用保証協会の保証付融資を受けるための要件4つ

なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験をもとに、本記事では、信用保証協会の保証付融資に関する情報をまとめました。

中小業企業が銀行からプロパー融資を受けるには信用力が必要不可欠です。

しかし、大企業と比べて信用力が劣る中小企業が銀行からプロパー融資を受けるのは非常にハードルが高く、プロパー融資でなく、信用保証協会の保証付融資を実行される場合が多いです。

本記事では、信用保証協会の保証付融資の特徴や保証を受ける要件などを分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

目次

信用保証協会の保証付融資とは?

信用保証協会とは、中小企業が銀行融資を受ける際に、借入の保証をしてくれる公的機関の名称です。

信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。

事業を営んでいる方が金融機関から事業資金を調達される際、信用保証協会は「信用保証」を通じて、資金調達をサポートします。

47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)にあり、各地域に密着した業務を行っています。

出典:信用保証協会と信用保証制度|もっと知りたい信用保証|一般社団法人 全国信用保証協会連合会

中小企業が銀行から融資を受ける際に信用保証協会が借入の保証人になることで、貸し手である銀行は安心して資金を融資できる仕組みです。

保険のような役割を果たしているため、銀行は保証付融資のことを「マル保(マルホ)」と呼んでいます。

信用保証協会の保証が付くことで銀行は融資しやすくなる

銀行が中小企業に融資する際、信用保証協会の保証が付いていると、融資先がデフォルト(債務不履行)になった場合でも銀行は殆どリスクを負いません。

なぜなら、保証付融資が回収不能となった場合、信用保証協会が債務者(融資先の企業)に代わって、銀行に肩代わり弁済しますので、銀行はほとんど損しないような仕組みになっているのです。

肩代わりの仕組みは別記事の「信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【徹底解説】」をどうぞ。

肩代わりする金額の割合は「保証割合」によって変動しますが、概ね融資額の80~100%が保証されます。

保証割合は融資制度によって異なります。

信用保証協会の保証付融資の特徴3つ

信用保証協会の保証付融資の特徴は下記3つあります。

  • 信用力が低い企業でも融資を受けられる可能性がある
  • 長期の借入が可能
  • 信用保証料を支払う必要がある

上記のとおり。

信用力が低い企業でも融資を受けられる可能性がある

信用保証協会の保証を付けることができれば、銀行はデフォルト(債務不履行)リスクを負わないので、融資を実行してくれます。

例えば、以下のような企業でも信用保証協会の保証が付けば、銀行から融資を受けることができる可能性があります。

  • 新規創業
  • 事業規模が小さい(売上規模が小さい)
  • 事業が赤字

通常、こういった企業が銀行からプロパー融資を受けるのは不可能ですが、保証付融資であれば、銀行融資を受けれる可能性が出てきます。

長期の借入が可能

信用保証協会の保証付融資は、銀行がデフォルトリスク(債務不履行)を負わないので、長期の借入が可能になります。

プロパー融資の場合、銀行がデフォルトリスク(債務不履行)を負いますから、信用力が低い企業に対する長期の融資は難しくなります。

一方、保証付融資は、貸し手である銀行はほとんどリスクを負わないため、長期融資が可能となります。

リスクがほとんど無い訳ですから、長期間融資しても問題ありませんし、長期間貸していれば利息収入も入ってきますので、借入期間が5年~10年といった長期借入が可能です。

信用保証料を支払う必要がある

信用保証協会の保証付融資を受けると、毎年、信用保証料を支払う必要が出てきます。

信用保証料とは、保証付融資がデフォルト(債務不履行)になった時、債務者に代わって銀行に返済を肩代わり(代位弁済)するリスクを信用保証協会が負うため、保証の対価として融資を受ける企業が信用保証料を支払う必要があります。

信用保証料は保険料とは異なります。

信用保証料には料率区分があります

信用保証料の料率は、融資先企業の財務状況などを審査し、0.45%~1.90%の間で、9つの料率区分の中から決定されます。

信用保証料率は融資した金額の1年間の利率なので、そこまで大きな負担にはならないと思います。

仮に、以下条件で保証融資の実行が決定したとします。

  • 融資額:1,000万円
  • 保証料率:1.0%

この場合、信用保証料は年間10万円となります。1か月の負担は8,300円程度となります。

保証料と別に、銀行の借入利息もかかりますが、それでもトータル3%前後に収まることがほとんどなので、大きな負担にはなりません。

保証料率の決定要因

信用保証料率は、一般的にリスク評価システムで決算書などの財務データから算出されますが、下記要因でも保証料率が決まります。

  • 担保提供の有無
  • 会計参与設置会社である場合

一部、割引の対象とならない保証制度もあります。

また、経営安定関連保証(セーフティネット保証)など一部の保証制度では、特別料率が適用される場合があります。

信用保証協会の保証付融資を受けるための要件4つ

信用保証協会の保証付融資を利用するには、下記4つの要件を満たす必要があります。

  • 企業規模(資本金・従業員数)
  • 業種
  • 区域
  • 業歴

上記のとおり。

企業規模(資本金・従業員数)

企業規模は資本金もしくは従業員数によって判断されます。

業種によって判断基準が異なる場合があります。

業種資本金従業員
製造業等3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

以上の要件を満たす場合には、信用保証協会の保証を受けることができます。

業種

多くの業種が信用保証協会の保証を受けることができますが、NG業種もあります。

NG業種

農林水産業、風俗関連業、金融業、宗教法人、NPO法人を除く非営利団体は利用できません。

区域

原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる必要があります。そのため、別の都道府県の信用保証協会は利用できません。

申込先の信用保証協会が管轄する都道府県(市)に会社の本店または支店(事業所)があり、事業実態があることが条件となります。

個人事業主の場合には、事業者の住宅または事業書が管轄内に入っていることが要件です。

業歴

要件として業歴が定められている場合があります。

まとめ

以上、信用保証協会の保証付融資について解説しました。

信用保証協会の保証付融資は、殆どの中小企業が利用している資金調達方法です。

銀行に融資の相談をすると、信用保証協会の保証付融資を勧められます。プロパー融資を勧めてくることまずありません。

信用保証協会の保証付融資は中小企業にとって、非常に便利な資金調達方法ではありますが、限度額(枠)が存在しますので、事業規模が大きくなるにつれ、若干使い勝手が悪くなるケースも出てきます。

そのため、業歴が浅く、事業規模が小さい間は保証付融資を資金調達のメインとし、事業規模が徐々に大きくなる過程で返済実績を作りつつ、少しずつプロパー融資を目指すような取り組みが必要になります。

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