【銀行融資】プロパー融資とは?特徴やメリット・デメリットを解説
プロパー融資について詳しく知りたいです。
本記事では、こういった要望にお答えします。
- プロパー融資とは
- プロパー融資のメリット2つ
- プロパー融資のデメリット2つ
- プロパー融資を受けるポイント3つ
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、プロパー融資に関する情報をまとめました。
プロパー融資の特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
ちなみに、銀行融資にはプロパー融資と信用保証協会の保証付融資の2種類ありますが、本記事ではプロパー融資について解説していきます。
プロパー融資とは
プロパー融資とは、銀行が直接融資を行うことをいいます。
信用保証協会の保証付融資と区別するため、プロパー融資と保証付融資という形で、融資方法が区別されています。
数ある資金調達方法の中で最も審査が厳しい
プロパー融資は信用保証協会の保証を付けない融資なので、銀行が貸し倒れリスクを負うため、審査が最も厳しいです。
信用保証協会の保証付融資の場合、万が一デフォルト(債務不履行)となった場合、保証協会が肩代わりしてくれるため、銀行は殆ど損をしない仕組みになっています。
肩代わりの仕組みは別記事の「信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【徹底解説】」をどうぞ。
しかし、プロパー融資の場合、デフォルトとなってしまったら100%損失を被ることになるので、審査は非常に厳しいです。
プロパー融資のメリット2つ
プロパー融資のメリットは下記2つです。
- 信用保証協会に支払う保証料が必要無い
- 限度額が無い
上記のとおり。
信用保証協会に支払う保証料が必要無い
プロパー融資は信用保証協会を利用せず、銀行が単独で融資を実行するため、保証料は発生しません。
通常、信用保証協会の保証付き融資を利用すると、融資額・返済期間に応じた所定の保証料が発生します。
例えば、一般保証で1,000万円の無担保融資を受けた場合、年利1.5%前後(年額15万円前後)の保証料が発生しますが、プロパー融資は保証料がありませんので、融資を受けるコストが保証付融資と比べて低いです。
限度額が無い
信用保証協会の保証付融資は「保証枠」と呼ばれる限度額が存在しますが、プロパー融資には限度額がありません。
プロパー融資のデメリット2つ
プロパー融資のデメリットは下記2つです。
- 審査が厳しい
- 返済期間が短い
上記のとおり。
審査が厳しい
信用保証協会の保証付融資の場合、保証協会の保証が付けば銀行の審査はほとんどの場合で通ります。
特に、100%保証の場合、ほぼノーチェックに近い形で審査が通ります。
しかし、プロパー融資となると話は別です。
融資先が万が一デフォルト(債務不履行)に陥ったら、デフォルトリスクは銀行が100%負うことになりますので、審査は非常に厳しいです。
創業から2~3年ぐらいの企業がプロパー融資を受けるのはほぼ不可能に近いです。
返済期間が短い
プロパー融資は保証付融資と比べて返済期間が短いケースが多いです。
返済期間が長くなれば経営も環境も変わり、デフォルトリスクが上がるため、返済期間は短くなる場合が多いです。
ただし、プロパー融資の利用実績があり、業績も良ければ、返済期間は徐々に長くなります。
プロパー融資を受けるポイント3つ
プロパー融資を受けるポイントは下記3つです。
- 保証付融資を受けて融資実績を作る
- 財務内容が健全であること
- 経営者の人柄
上記のとおり。
保証付融資を受けて融資実績を作る
いきなりプロパー融資を受けることは現実的ではないため、まずは保証付融資を利用して融資実績を作り、そこから徐々にステップアップするという流れになります。
プロパー融資を受ける流れは次の3ステップです。
- 信用保証協会の保証付融資を受ける
- 保証付融資の利用実績・返済実績を積んでいく
- 少額のプロパーを打診する(銀行から提案してもらえることもある)
保証付融資の利用実績も無く、いきなりプロパー融資を受けるれることはまずありませんので、まずは保証付融資を利用して、融資・返済実績を積むことになります。
財務内容が健全であること
プロパー融資は銀行が100%リスクを負うため、財務内容が悪いと融資を受けれません。
銀行融資において、財務内容を判断する基準は概ね下記のとおりです。
- 業績推移(取引先もチェックされます)
- 返済財源(税引後当期純利益+減価償却)の有無
- 粉飾決算の有無
- 現預金の残高
- 既借入金の残高
- 自己資本比率
上記のようにチェックされる項目は多岐に渡りますが、真っ先にチェックされるのが「返済財源(税引後当期利益+減価償却)」です。
返済財源が多さは返済能力に直結しますので、審査に有利です。
経営者の人柄
財務内容を厳しくチェックされるのは当然ですが、意外と重要なのが経営者の人柄です。銀行融資は人が審査を行い、人が融資の可否を判断します。
銀行員も人間ですから、融資先の経営者の人柄、雰囲気で融資の可否を決めることがあります。
もちろん、財務内容が全てにおいて優先されますが、融資審査の最終判断で経営者の人柄や雰囲気が後押しすることもあるのです。
まとめ
以上、プロパー融資の特徴やメリット・デメリットを解説しました。
プロパー融資は審査が厳しいので、創業して間もない企業や、比較的規模の小さい企業の場合、「信用保証協会の保証付融資」を利用するのが現実的な融資方法といえます。
プロパー融資は、銀行と長期的に付き合っていくと、銀行の方から提案してきたりしますので、銀行との付き合いを続けて信用を積み上げ、そのうえで、少しずつプロパー融資に移行することを目指していきましょう。